宮司賞
どんど焼凧に棚引く白煙(しろけむり)(原田 悦子)
一 席
海風や天まで届け僕の凧(青野 京子)
二 席
凧父と作りて母と揚ぐ(坂本 悦子)
三 席
立春大吉夢の一字が空を翔け(岩本 美和子)
四 席
足止めて僧も見てゐる凧の空(今本 波津代)
五 席
凧作り夢の一字を大書せり(広田 智恵)
六 席
見島凧目玉濡らして下りて来る(千住 紀子)
七 席
鬼揚子山を動かし海を曳き(貞包 清子)
八 席
海峡をにらんで春呼ぶ鬼揚子(魚谷 宏子)
九 席
凧あがり昔の空を取り戻す(田村 晋)
十 席
チコちゃんの空中散歩凧日和(矢橋 和子)
佳 作
夢のせて夢一文字の凧揚がる(福田 克子)
どんど火に九十才の手をかざす(福嶋 泉)
海峡の雲に貼りつく鬼揚子(羽嶋 昭子)
長老の手を借り凧の出来上がる(向井 千雅子)
自画像の少女の絵凧爺が揚ぐ(池田 尚文)
関門の巨船見下ろす紙鳶(いかのぼり)(前田 冨美)
大凧の重み風知る人の知る(野尻 みち)
早鞆の風と睦みぬ鬼揚子(藤田 厚子)
風掴む鬼凧勢子のワンチーム(吉村 保亮)
凧糸を解く宮司の手を借りて(中田 てつ子) |